「縄文人はるかなる旅の謎 前田良一著 毎日新聞社」では、山内丸山の住人が1500年間も住み続けた地から忽然と姿を消した理由を、南海への移住ということで説明する。
確かに気候変動による寒冷化によって、それまでの生活を維持できなくなったことが第一の理由なのだが、では東北地方の縄文人がその寒冷化に適応できずに為す術もなくほとんど死に絶えてしまったのだろうか、というのも不思議な感じがするわけだ。
おそらくそうではあるまい。前田氏は円筒下層C,D式の土器に酷似する土器がオーストラリアの北東に位置するバヌアツ諸島で発見されていることなどを紹介し、山内丸山の住人が船団を組んで展開していった証拠であろうと推測している。
これは突飛な説だろうか。先にご紹介したように、マダガスカル島とインドネシア、日本とタミル地方の例もある。ありうることだろう。
さて、この本は多少牽強付会的な面もあるようだが、あながちすべてがそうであるとは言えない。ただ流布している定説(太古・古代の人々は蒙昧で、とてもそのような技術・知力をは持ち得ていなかった)をくつがえす力があるように思える。
このことについて、ぼくは「大異変のエクスプローラー」で小説にしてみた。お読み頂ければ幸いである。http://members.jcom.home.ne.jp/lila/newpage34.html
2009年3月23日月曜日
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