2010年6月5日土曜日

ある会話


又聞きで恐縮ですが、ある二人の人が次のような会話をしていたそうです。

A「いやー、こんな話親しくならないととても話せなくてね・・・」
B「そりゃそうだ、頭、大丈夫?なんて言われちゃうよね」
A「Bさんが、首のしこりが悪性でやばいから、病院行って来る・・・なんて言うんで、こんな話になったんですよね」
B「うん、まさかあの世の話とかするとは思わなかったよ。あんたが冗談じみてあの世はあるんですよ、なんて言ったんで、こいつおれが直ぐ死ぬと思いやがったな、と思ったよ」
A「もちろん、Bさんの首のしこりが本当にやばかったら、悪くて・・・あの世の話なんてできなかったですよ。大丈夫だと知ったので、なんとなくお互い60過ぎてるし、Bさんはもうすぐ70でしょ、向後のためと思って少し話したいなと思ってね」
B「そうなんだよ、おれもこんな話、普通のやつとはしないよ」
A「昨日ね仕事で、先月亡くなった方の隣に行ったらその方がご自宅の縁側におられたんでね、それに今日もご自宅の隣を歩いていたら、その方の声がしたんで、すいません、今日は見えないんですよ、すいません・・・なんて小声で言ったおいたりしたんですが」
B「そうなんだよ、見えると結構疲れるよね、高尾山に行ったら滝の上にずらっと武者が並んでいたり、パチンコに行くとおれにしか見えない源さんが、よおっ、今日はこの台が出るよなんて案内してくれて、本当に10万円くらい勝っちゃたり・・・」
A「いやー、ぼくなんか運転していて二人くらい轢いてます。突然前に人が現れ、急ブレーキを踏みました。いや、轢いたときは恐ろしさで動けなくなりますが、ふと気が付くとなんのショックもなかった・・・・車を降りて車の下を見ても何もない、そのへんを歩いている人たちも普通に歩いている。ああ、そうか・・・・なんてね」
B「ねえ、なんか睡眠時間に関係あるじゃないのかな。夜眠れなかったりして、極端に睡眠がとれないとき、よく見ないか?」
A「そうなんですよ、疲れすぎたり、睡眠時間が少ないとどうしてもなんか、見えてしまう。不思議ですねえ。幽霊さんたちって以外とこっちにいるんですよねえ」
B「うーん、死んじまったのに、こちらに未練を・・・ていう感じかなあ。死んでしまっているのに、ずっとこっちにいるってのは、あんまりよくないみたいだけどね」
A「そうなんですよ、古代からのいろいろな書物にも、さっさと向こうへ行かないと、差し障りがあると書いてあります」
B「なんだ、それ、差し障り?」
A「ええ、その人の魂に差し障りがあると・・・」
B「ほう、そうなんだ」
A「ええ、そうらしいですよ。肉体があった頃の自分を本当の自分だと思って、魂が落ち着かないでいるのは、かなりやばいらしいです。魂だけが本当の自分なのにねえ。肉体のこととか、現世の状況は、生きてる時はひどく現実的に重要なように見えますが、実はそうでもない、だから、死んだ後ね、あんまりこっちにいると、かなり、やばいみたいです」
B「かなり、かね」
A「ええ、かなりやばい状況らしいです。さっさと先へ進むべきだそうです」
B「へー、まあ、そんな感じもするなあ、肉体がなくて魂だけでこの物質世界にいてもなんの得にもならない。おそらく、そういう状態というのはものすごく疲れると思うよ」
A「でも、こんな話、とても普通に人には話せませんね」
B「はははは、まったくだ。物質的この世が全てだと錯覚している人は聴く耳持たないしね」

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