中東においての羊皮紙やパピルスに書かれた古文書の分析はかなり進んでいるが、それらを世に出さないための大掛かりな陰謀や偽証、買収行為が広く行われている。
「死海文書の謎(The dead sea scrolls deception)マイケル・ベイジェント、リチャード・リー共著 高尾利数訳 柏書房」や「禁じられた福音書 エレーヌ・ペイゲルス著 松田和椰訳 青土社」「ユダの福音書を追え ハーバート・クロスニー ナショナルジオグラフィック社」「ナグハマディ写本 エレーヌ・ペイゲルス 荒井献 湯元和子訳」・・・などなどにはそうしたことについての信憑性のある記事を見受けられる。
さて、キリスト教と仏教の成立の根本的な違いはその経典・教典の立場にある。
キリスト教は例えば日本では日本聖書教会が印刷している「聖書」以外のものは正典として認めないが、仏教はよく言えば懐が深い、悪く言えば味噌もくそも一緒でなんでも仏教経典として平然とする。驚くことに江戸時代のお竹大日も、昨日今日できたばかりのビジネス宗教も仏教を名乗る。まあ、キリスト教国でもわけの分からない連中が勝手な解釈によってたくさんのキリスト教宗派を作るが、教典はいわゆる「聖書」だけに絞られる。
下記のことは一体誰を現すための記述かお分かりになるだろうか?キリスト教成立にとってイエスの次にもっとも重要な人物である。
「英語のgrass には密告者、通報者という意味があるが、supergrass とは重要な密告者ほどの意味である。北アイルランドを支配しようとするイギリスは、アイルランド人の執拗な抵抗に悩まされてきた。イギリスは自らの支配を強固なものにするために、密告や通報を奨励し、そのような行為をした者たちが復讐されないように保護を強化した。そうしたなかで、重大な密告者たちが現れたが、その現象を指す」
キリスト教成立上での重大な密告者?それは誰?
イエス亡き後のヤコブ(イエスの兄弟)が率いる組織を否定し、ヤコブたちが一言も言及していないキリスト教布教活動を行い、なぜかローマ市民権を持っていた者である.
もちろん彼はイエスには一度も会う機会がなかった。
イエスの暴力行為は神殿で両替商の机をひっくり返す場面がよく語られるが、先日ルカによる福音書を読んでいて、驚くことがあった。22・47-51である。
『48 イエスは「ユダ、あなたは接吻で人の子を裏切るのか」と言われた。イエスの周りにいた人々は事の成り行きを見て取り、「主よ、剣で切りつけましょうか」と言った。そのうちのある者が大祭司の手下に打ちかかって、その右の耳を切り落とした。そこでイエスは「やめなさい。もうそれでよい」と言い、その耳に触れて癒された。』
の部分だが、これはよく読むと・・・大祭司の手下の耳を切り落とした周りの者、イエスを主と呼ぶ周りの者がいつも剣で武装していたことを思わせる。また、イエスも「やめなさい。もうそれでよい」などと軽く冷静な対応である。イエスはこうしたことに慣れていたのだろう。
スィーカリ、クムラン、ゼーロタイ党は武装闘争によるローマからの開放を目指していた。それらの組織はローマへの共闘という関係だった。そしてイエスはクムラン共同体の一人だった可能性がある。スィーカリの意味は短剣であり、ゼーロタイは熱心党である。
現在存在しているローマキリスト教や東方教会や正教会とコプト教などヨルダンなど中東に残る原始キリスト教と呼ばれるものでさえ、当時のイエスの考え方とは遠く離れた、というよりまったく違ったものの可能性が高いことが死海写本やナグハマデイ文書や使徒言行録や福音書の読み直しによって、立証されつつある。少なくともバチカンはイエスとは関係のない組織だろう。
バチカン銀行の総裁らの資金洗浄の疑いの記事をここに載せよう。
2010年09月22日 12:52 発信地:ローマ/イタリア
【9月22日 AFP】イタリアの検察当局は21日、マネーロンダリング(資金洗浄)に関与した疑いでバチカンの財政管理組織「宗教事業協会(Istituto per le Opere di Religione、IOR、通称バチカン銀行)」幹部らに対する捜査を開始した。
捜査対象とされているのは、エットレ・ゴティテデスキ(Ettore Gotti Tedeschi)総裁とIOR幹部の2人。さらにイタリア検察は、IORの資産2300万ユーロ(約26億円)を押収した。
マネーロンダリング撲滅を目指すイタリアは2007年、金融機関の送金情報開示義務を強化する法改正を行った。ゴティテデスキ総裁らは、この開示義務に違反した疑いがもたれている。
これに対し、バチカン当局は、「IORは違法行為などしていない。今回の捜査には当惑し驚いている」との声明を発表。さらに、必要な書類は全てイタリア銀行(中央銀行に相当)に提出しており、IORの財政運営の透明性が証明されることは明らかだと反論した。(c)AFP
1980年代前半までは、宗教事業協会の投資運用と資金調達を行う主力行としての業務はイタリア国立労働銀行の子会社のアンブロシアーノ銀行が行っていたが、1982年に、同協会のポール・マルチンクス大司教と、「教皇の銀行家」と呼ばれていたアンブロシアーノ銀行のロベルト・カルヴィ頭取のもとで起こった、マフィアや極右秘密結社であるロッジP2がからんだ多額の使途不明金とマネーロンダリングにかかわったスキャンダルの影響を受け同行が破綻し、カルヴィ頭取などの複数の関係者が暗殺されて以降は、ロスチャイルド銀行とハンブローズ銀行などが行っている。また、この事件は、映画ゴッドファーザーPARTIIIでも取り扱われている。
宗教事業協会はその後も度々マネーロンダリングなどの違法な取引にかかわったと指摘されており、近年も2009年11月と2010年9月の2度に渡り、宗教事業協会とエットーレ・ゴティテデスキ総裁がマネーロンダリングに関係したとの報告を受けたイタリアの司法当局が捜査を行い、捜査の過程で2300万ユーロの資産が押収されている。